REPORT

俵山の状況についてお知らせいたします from熊本本店

俵山の登山状況について報告

皆さんこんにちは、シェルパ熊本本店の谷井です。
お店では、ダウンウェア等の冬物商品を見に来られるお客様も多くなり、秋があっという間に過ぎるといった、少し淋しい気持ちになる今日この頃です。
先日(11/9)、久々にお天気に恵まれた休日になりましたので、4月の熊本地震後ずっと気になっていた「俵山」に行ってまいりましたので、登山ルートの状況と報告をさせて頂きます。

俵山登山口の現状

俵山は、熊本県の南阿蘇村と西原村に位置している阿蘇南外輪山の主峰と言われております。しかし、2016年の4月に起きた熊本地震の影響を大きく影響を受けた山の一つです。震災後半年が経ちますが、登山口周辺にある俵山トンネルの復旧工事は今も尚行われている状況です。

私たちに出来る事として、沢山のハイカーや地元に愛される「俵山」の現状を伝えること、そして、登山可能なコースやルート状況を紹介しつつ、今後も愛され続けて欲しいと願うばかりです。

俵山登山口は、一般的に①俵山峠展望所・②揺ヶ池・③出ノ口・④地蔵峠がメジャーです。


俵山峠展望所
俵山峠展望所は、現在通行可能になりました(2017年5月時点)
揺ヶ池登山口/出ノ口登山口
初回調査時、11/14時点ではオススメできないコースでしたが、新たに確認に行ってきましたので、リンクを貼っておきます。

地蔵峠~俵山コース

今回、登山道が問題ないという情報が入りましたので、グリーンロード南阿蘇・地蔵峠登山口から登りましたので、報告いたします。

地蔵峠登山口は、南外輪山の「冠ヶ岳1154.1m」の登山口としてよく利用されています。冠ヶ岳の分岐までは、植林やブナの混じった自然林を歩きます。今の時期紅葉を終えた、落ち葉が創りだす赤色絨毯をサクサクと音をたて、樹のトンネルを歩きます。


ふと視界が開けると、南郷谷と阿蘇五岳の全貌が見え、遠くは祖母山と景色が雄大です。そして冠ヶ岳分岐を過ぎ、護王峠(ごおう峠)へ進むと、目指す「俵山」が先に見えます。

標識がある路をアップダウンし3回程の小ピークを過ぎると、護王峠に着き、そこから急な登りを30分程のぼり東外輪壁へ。東西に長い俵山の山頂へ到着です。山頂からは南は、冠ヶ岳大矢野岳などのここまで歩いた縦走路の南外輪山から、遠くは九州山地、西は熊本平野、雲仙・天草など景色が素晴らしいです。

地蔵峠~俵山ルートの注意点

コースタイムは、地蔵峠からスタートし、片道約3時間。アップダウンが多いルートの為、ピストンしても下山だからといってコースタイムの短縮は望めません。そのため行動時間に余裕を持って計画しましょう。

また、冠ヶ岳分岐からのアップダウンの途中、二カ所ほど黒土の下り坂があります。一つはロープを張ってあるものの、かなり滑ります。手袋の着用は必須です。慌てず、ゆっくり下りましょう。また、前日が雨天時の場合はルートがかなり滑る為、特に注意が必要です。
登山口・山行中に水場・トイレはございませんのでご注意ください。

地蔵峠~俵山ルートの魅力

登山ルートは、震災の影響はほとんど見受けられませんでした。
護王峠898m周辺の地質は、肥後火山活動系の火山岩類からなり、1~2cmの大きな角閃石の結晶がみられます。
また、「甲斐有雄」という、熊本県で石工を営み熊本県や大分県・宮崎県の山間地や細い田舎道の分岐点に約1800基の道しるべを設置された方のお言葉が石に刻まれています。


そして近くには可愛らしいお地蔵様も穏やかに座っていらっている等、昔コンクリート道がなかった頃、この道を歩かれていたんだろうと、とても歴史を感じることの出来る場所です。

また、登山中、俵山は見えるものの遠く、その姿を目指して歩けば歩くほど近くなる様子が、自分自身で感じることが出来ます。西原村側から見る、米俵を積んだように見える女性のような丸みのある山容とは全く異なり、火山活動の歴史を物語る勇ましい姿の山容も見ることができます。

山頂も広く、お昼をのんびり過ごすこともお勧めです。

個人的には、高森にある清栄山から南外輪山九州自然歩道を分割しながら、すべて歩くことができました。何度も登った、大好きな俵山を別のルートで歩くだけで、俵山の新しい一面を知ることが出来たような…充実感あふれる一日となりました。

南阿蘇は、私が山を好きになった大切な場所です。できる限り正確な情報をお届けし、多くの方に魅力を伝え続けることが、感謝の思いを込めた恩返しだと思っております。


山の状況は常に変化します。新しい情報をしっかりと確認し、皆様にとっても素晴らしいアウトドアライフとなることを願っています。
また、シェルパでは皆様のお役に立てるよう努力いたします。お気軽に、お近くのシェルパへ遊びにいらしてくださいませ。

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