俵山 山岳救助活動
今年11月に熊本県の俵山(阿蘇外輪山の一部・標高1,095m)で山岳遭難が発生しました。
私たちシェルパは、熊本県山岳・スポーツクライミング連盟(以下、山岳連盟という)に『シェルパ救助隊』として加盟しており、今回もその一員として捜索に参加しました。
捜索は、消防、警察、消防団、山岳連盟など約130人で行われました。
前日夕方に一報を受け、スタッフに召集をかけました。翌朝5時45分にシェルパを出発し、登山口に6時30分頃到着。前日までの状況などを聞いて、消防、警察、消防団とコースを分担し、私たちは沢沿いを捜索しました。そして8時10分頃、無事に発見することができました。
熊本県防災消防航空隊のヘリコプター「ひばり」が発見から数分で到着。救助隊員の方が降りてくると、柔らかい声掛けで遭難者の状態を確認し、ヘリコプターで運びやすい場所まで移動してピックアップ。まさにプロの仕事でした。
私は山岳救助に協力することや災害ボランティアを行うことは当然と思っています。これは、会社を創業した両親の背中を見て育ったためで、現在のシェルパのスタンスでもあります。
物価高の影響もあり、登山用品の販売も厳しい環境にあることは間違いありません。今回私が捜索に参加していた日も、お店は通常通り営業しており、残ったスタッフは紅葉登山や冬山の準備などのために来店されるお客様のお手伝いをしてくれていました。弊社が県内外で行っている登山ツアーも滞りなく実施されていました。このように、いつもと変わらない働きをしてくれたスタッフたちのお陰で、捜索活動にあたることができています。
両親が創業したシェルパの基本理念、自然と共に「共育・共生」が私たちに引き継がれ、これからの若いスタッフたちにも繋がっています。シェルパは単なる道具屋ではありません。これまでも、これからも九州の登山専門店として責任ある活動をしていこうと、改めて誓った一日でした。
阿南大吉

