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「くじゅうの登山口をつなぐバス」とは

くじゅう連山は、九州本土最高峰の山々を有する登山者に人気の山域です。特に多くの登山者が訪れるのは、初夏のミヤマキリシマの開花シーズンと紅葉のシーズン。くじゅう連山がもっともにぎわうこの時期に合わせ、くじゅう山系の主な登山口と駐車場を結ぶ「くじゅうつなぐバス」の運行を行っています。
くじゅうつなぐバスは、長者原と瀬の本に専用の駐車場があり、登山者が殺到する週末や祝日に運行します。混雑している状況でも駐車場を探すストレスがなく、パーク&ライドで目的地へ行くことができます。縦走登山にも便利で、心ゆくまでくじゅう連山を楽しみたい方におすすめです。

くじゅうつなぐバスは大分県や阿蘇くじゅう国立公園の保護と利用を進めている国立公園満喫プロジェクトを行っている環境省、くじゅう地区の行政関係団体の協力のもと(株)シェルパと(有)山の旅企画室が運営しています。

〈目次〉

●繁忙期の路上駐車や利用者の集中による課題

①繁忙期の路上駐車の課題
②繁忙期の登山コース集中による課題
③「くじゅうつなぐバス」運行の目的

●くじゅう連山縦走登山の魅力

①コンパクトな南北くじゅう連山縦走登山
②くじゅう連山よくばり横断縦走登山
③くじゅう連山満喫 温泉山小屋泊(またはテント泊)

●くじゅう連山四季の魅力

●駐車場について(くじゅうつなぐバス運行時限定駐車場)

●公共交通機関を利用して、くじゅうへお越しの方へ

●くじゅう連山関連施設

①繁忙期の路上駐車の課題

くじゅう連山は、その人気の高さゆえに「登山口付近の駐車場が満車でとめられない」という問題が起こっています。特に、ミヤマキリシマが咲く季節や紅葉シーズンは混雑し、早朝のうちに駐車場が埋まってしまうことも。駐車場を利用できない車両が牧ノ戸峠を中心とした路側帯に駐車するため、観光バスや大型車両などの妨げとなり、すれ違いが困難になることもあります。こうした過度な混雑により、登山自体の楽しさも低減してしまいます。

路側帯の路上駐車によりさまざまな問題が起こっています


②繁忙期の登山コース集中による課題

くじゅう連山は、多くの登山者が牧ノ戸峠登山口もしくは長者原登山口の二つの登山口を利用しています。繁忙期の短い期間にたくさんの登山者が登山道を行き交うことで、土壌の浸食やぬかるみ等が発生し、また多くの方がぬかるみを避けて通行することで登山道が複線化してしまうなど、オーバーユースによる環境負荷が懸念されています。

長者原登山口

牧ノ戸峠登山口

複線化や土壌が侵食した登山道


③「くじゅうつなぐバス」運行の目的

そのような状況を改善しようと、令和4年秋に「くじゅうつなぐバス」が誕生しました。長者原や瀬の本の駐車場と主要な登山口を周遊バスでつなぐことによって、特定の駐車場や登山コースに過度に利用が集中することのないように適正化を図り、阿蘇くじゅう国立公園における利用者の満足度の向上と環境保護を目指しています。また、周遊バスを利用することで駐車場に車をとめたまま縦走登山ができるようになり、登山利用のバリエーションの向上にも期待できます。

主要登山口

長者原登山口
牧ノ戸峠登山口
瀬の本登山口
赤川登山口
南登山口

くじゅう連山には九州本土最高峰の中岳(標高1,791m)をはじめ、標高1,700m級の山々が連なっており、「九州の屋根」とも呼ばれています。ミヤマキリシマを代表とする山岳植生が数多くみられ、2005年にラムサール条約湿地に登録されたタデ原湿原や坊ガツル湿原など、見どころがたくさんあります。季節によっても表情が異なり、登山口も複数あるため、さまざまなルートでくじゅう連山を楽しむことができます。その中でも、以下のポイントで選定した3つのおすすめ縦走コースをご紹介します。

・大分県、熊本県のどちらからもアクセスしやすい
・縦走でありながら初心者でも楽しめる行動時間と累積標高差
・くじゅう連山のほぼ全てを見ることができ、世界的にも貴重な自然を堪能できる

くじゅう連山に限らず、登山にはマナーがあります。適切な準備を行い、楽しい山行になるよう、事前にチェックしておきましょう。

くじゅう登山のルール&マナー
https://kujufanclub.com/walk/#rule

おすすめ縦走コース①
コンパクトな南北くじゅう連山縦走登山

[コース詳細]

牧ノ戸峠登山口⇒沓掛山⇒扇ヶ鼻(往復)⇒西千里ヶ浜⇒久住山⇒赤川登山口

[所要時間]

265分(4時間25分)

[難易度]

技術的な難易度は低いですが、下山ルートは急な傾斜が続くため、注意が必要です。

[コース概要]

くじゅう連山の主峰である久住山を入れたポピュラーなコース。登山口の中でも最も標高が高い牧ノ戸峠登山口(1,330m)から歩き始めるので、比較的楽に歩く事ができます。整備された遊歩道を進み、最初のピークである沓掛山へ。さらに登山道を進み、扇ヶ鼻分岐から扇ヶ鼻を目指し登りましょう。山頂付近にはミヤマキリシマの群生地があり、開花時期の5月から6月にかけては圧巻の景色が楽しめます。
扇ヶ鼻へ到着すると、来た道を戻って扇ヶ鼻分岐へ戻ります。それから西千里ヶ浜へ進み、右手に肥前ヶ城、左手に星生山を眺めながら、高低差の少ない登山道を歩きます。
積みあがった大きな岩の星生崎を越すと、久住分かれの避難小屋に到着します。小屋の中では休憩ができ、トイレブースと携帯トイレブースが常設されているので女性や小さなお子さんでも安心です。
久住山頂からは阿蘇五岳を見渡すことができ、由布岳(大分県)、英彦山系(福岡県)、多良山系(長崎県)、霧島連山(鹿児島県・宮崎県)など、360度の壮大なパノラマ風景を眺めることができます。下山時は、久住高原の景色を眺めながら、赤川登山口まで降ります。

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おすすめ縦走コース②
くじゅう連山よくばり横断縦走登山

[コース詳細]

瀬の本登山口⇒岩井川岳⇒扇ヶ鼻⇒西千里ヶ浜⇒久住山⇒久住分かれ⇒北千里ヶ浜⇒坊ガツル⇒雨ヶ池越⇒長者原登山口

[所要時間]

455分(7時間35分)

[難易度]

長時間の山歩きのため健脚コースとなります。技術面の難易度は高くありませんが岩稜帯を長く下るため注意が必要です。

[コース概要]

瀬の本登山口から岩井川岳、扇ヶ鼻へと登ります。瀬の本登山口は標高1,000mに満たないので、くじゅう連山の森林限界(1,400m)に到達するまで、珍しく樹林帯の中を歩くことができます。
久住分かれの避難小屋を経由して久住山の西側岩稜帯斜面を見ながら山頂まで歩くと、九州本土の主要な山々を360度の大パノラマでみることができます。歩くペースに余裕があれば、40分程コースを外れて九州本土最高峰の中岳まで足を運んでも良いでしょう。久住分かれに戻り、そこから北千里ヶ浜へ下りますが、北千里ヶ浜ではまるで月面のような火山灰の上を歩くことができます。
法華院温泉山荘に到着すると、談話室や軽食もありますのでひと休みしましょう。下山は雨ヶ池越を経由してくじゅう連山北の玄関口である長者原に下山します。売店や食事所がありますので、空腹を満たしてお買い物を楽しみましょう。

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おすすめ縦走コース③
くじゅう連山満喫 温泉山小屋泊(またはテント泊)

[コース詳細]

〈1日目〉長者原登山口⇒雨ヶ池越⇒坊ガツル⇒北大船山⇒大船山⇒坊ガツル⇒法華院温泉山荘泊(坊ガツルテント泊)
〈2日目〉法華院温泉山荘(坊ガツル)⇒北千里ヶ浜⇒天狗ヶ城⇒中岳⇒稲星山 ⇒御池⇒久住分かれ⇒久住山⇒久住分かれ⇒西千里ヶ浜⇒沓掛山⇒牧ノ戸峠登山口⇒くじゅうつなぐバスで長者原登山口へ

[所要時間]

760分/1日目:400分(6時間40分)、2日目:360分(6時間)

[難易度]

技術面の難易度は高くありませんが、長く歩くため体力が必要です。

[コース概要]

長者原登山口からタデ原湿原を通ってスタートします。雨ヶ池越(6月:ヤマラッキョウ群生)を経由し、坊ガツルに出たら、目的の山が目の前に現れます。大船山、北大船山にはミヤマキリシマの群生がみられ、5月後半から6月にかけて山の斜面が一面ピンク色に染まります。法華院温泉山荘では地元料理と温泉、満天の星空を楽しみましょう。
翌日は早起きして、天狗ヶ城を経由し、くじゅう連山最高峰の中岳を目指します。山頂で御来光を見れば、疲れも吹き飛び気分も弾むでしょう。後半は稲星山まで足を伸ばした後、御池の横を歩いて久住山に登り、これまで歩いてきた山々を振り返りましょう。
下山は久住分かれから西千里ヶ浜へ向かい、沓掛山を経て牧ノ戸峠登山口に降ります。くじゅう連山を大満喫できるコースです。

法華院温泉は立ち寄り湯も可能

テント泊の登山者で賑わう坊ガツル

くじゅう連山は、四季の変化を一年中楽しめるエリアです。春にはたくさんの花々が芽吹き、5月上旬から下旬にかけてはミヤマキリシマの群生が楽しめます。平治岳や三俣山、扇ヶ鼻をはじめ、くじゅう連山の至るところでピンクの絨毯が広がります。夏は青々とした緑に包まれ、蝶や昆虫などの姿が見られます。双眼鏡を片手に、バードウォッチングに出かけるのもおすすめです。秋には、カエデやコナラなどの落葉広葉樹が紅葉し、大船山の御池や黒岳の原生林は真っ赤に染まります。くじゅう連山唯一のテント場である坊ガツルでのキャンプもおすすめです。冬には雪で覆われ、樹氷が楽しめます。装備をしっかり整えて、幻想的な風景の中に身を置きましょう。くじゅう連山は、季節ごとに訪れたくなる魅力がたくさんあります。

平治岳の斜面に咲くミヤマキリシマ

青々とした緑に包まれる夏の星生山

大船山の山頂にある御池

凍った御池では湖上散策ができます

サムネイル
くじゅうつなぐバス運行時は「長者原」と「瀬の本」にくじゅうつなぐバス専用駐車場を設置します。
くじゅうつなぐバスをご利用の際は、くじゅうつなぐバス専用駐車場にお車をおとめください。

位置などの詳細は、下の「くじゅうつなぐバス詳細はコチラ」からご覧いただけます。

※くじゅうつなぐバス専用駐車場はくじゅうつなぐバス運行時のみ設置されます。くじゅうつなぐバス運行時以外のご利用はできません。
※乗り合わせのための利用も可能です。
※瀬の本専用駐車場以外の駐車場は満車になっている場合があります。
※路上駐車は決してしないでください。
※店舗や施設専用の駐車場には決して車をとめないでください。

【福岡方面から】
博多バスターミナル ⇔ 由布院駅前バスセンター 約2時間
由布院駅前バスセンター ⇔ 牧ノ戸峠登山口 約1時間

【大分方面から】
JR別府駅 ⇔ 牧ノ戸峠登山口 約2時間

【熊本方面から】
熊本駅前 ⇔ 牧の戸峠 約2時間半

バス運行機関

・ゆふいん号:西日本鉄道、亀の井バス、九州産交バス
・福岡-黒川温泉線:九州産交バス、日田バス
・九州横断バス:九州産交バス
・九重町コミュニティバス:九重町

各交通機関URL

西日本鉄道 https://www.nishitetsu.jp/bus/highwaybus/
亀の井バス https://kamenoibus.com/
九州産交バス https://www.sankobus.jp/
日田バス https://hitabus.com/
九重町コミュニティバス https://www.town.kokonoe.oita.jp/categories/kurashi/yokutsukau/community-bus/


・九州バスネットワークポータルサイト「@バスで」 https://www.atbus-de.com/
・JR九州 https://www.jrkyushu.co.jp/

①長者原ビジターセンター
タデ原湿原やくじゅう連山の自然や文化を紹介する施設。センター内では、ハイビジョンシアターでくじゅうの四季の映像を楽しめるほか、阿蘇くじゅう地域の巨大衛生写真もあります。
https://kujufanclub.com/

②法華院温泉山荘
くじゅう連山唯一の山小屋。標高1,303mにあり、多くの登山者に親しまれています。かつては鎌倉時代を開基とする九重山法華院白水寺として栄え、1882年に山宿としての歴史が始まりました。温泉や食事のみの立ち寄りも可能です。
http://hokkein.co.jp/

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