北アルプス 劔岳・立山へ 劔岳編後編 from鹿児島店
北アルプス 劔岳・立山へ 後編
いよいよ、劔岳にアタックする日がやってきました。
今回のブログは、登山の報告もですが今後、劔岳に登ってみたい方や既に行く予定が決まっている方の為に
危険個所や解説も含めて報告致します。
なので、写真も多く長い記事になっていますが、しばしお付き合い下さい!
山小屋の食事は、びっくりするぐらい豪華です。ご飯のお替りもできるし
しっかり栄養をつけて翌日に備えます。
剣山荘から劔岳へ
山小屋で朝食を食べて出発です。
劔岳は小屋で朝食を食べずに、早くから出発する方も多いので朝食をお弁当にもしてくれます。
各自、ヘルメット、ハーネス、スリング、カラビナを装着し山に必要の無い物は山小屋にデポ(置いておく事)し出発。
ドキドキとワクワクが入りまじるなか、まずは一服剱を目指します。
鎖はしっかりした物が付いているので安心ですが、あくまでも、補助だと思って下さい。
鎖に頼って登ると体を振られたりするので、きちんと手と足を確実に安定した所に置いて登る事を意識して下さい。
「あそこが山頂!」と言う方も多いですが、山頂はその奥です。
一服剱を過ぎると一度下りますが、すぐさまガレ場の登りが始まります。
このガレ場の通行は十分に気を付けて下さい。
浮石だらけで「落石」が発生しやすい場所です。
落石に当たらない事は勿論ですが、自分自身が落石を落とさないようにもしましょう。
自分達より前の登山者が多かったり、詰まっている場合は安全な場所で待機し間隔を
空けて通行するといいですよ。
ガレ場の登りが始まり、写真の「大岩」までが危険です。
大岩を過ぎると前剱のピークは直ぐそこです。
山頂は写真を数枚撮って通過しました。
前剱まではウォーミングアップでここから劔岳の山頂までが難所の連続です。
ここから、スリング、カラビナを使い始めます。
私もここから、ロープを出して全員を確保しながら歩きます。
前剱の門は登りの時だけ通りますが下る時は、この左下30mあたりに登山道があります。
前剱の門を右回りで通過します。
足元は数百メートルも切れ落ちていますのでスリル満点です。
しかし、足場はちゃんとありますので焦らずに丁寧にすれば大丈夫です。
ここも、登りと下りとでは道が違います。
登りは写真の鎖を上に登ります。
足を置く場所にはボルトも打ってあるので登りやすいです。
カニノタテバイ、ヨコバイを通過
ほぼ垂直に近い岩場を鎖と岩に打ってあるボルトを頼りに40m程登ります。
雑誌やテレビで見れば、「凄い所を登るな」と感じますが実際に登ってみると
意外と難しくないと感じた方も多いようでした。
さー、タテバイを過ぎるともう少しで目指してきた劔岳の山頂の祠が視界に入ります。
念願の劔岳山頂です。あいにくガスが掛かっており展望は望めませんでしたが
ここまで苦労して登ってきたので皆さんの笑顔がとっても素敵でした。
タイミング良く、後から登って来る人も殆どおらず暫し山頂でゆっくり過ごす時間も
取れました。
登山中の怪我や事故は下山中が半分以上
山での怪我や事故の半分以上は下山中に発生する事が多いです。
何時間も登ってきた体は疲れていますし、足も思うように踏ん張りがききにくくなります。
何でもない所でも躓いたりしますので、下山は特に気を付けて下るようにしましょう。
下り始めて最初の危険個所が「カニノヨコバイ」
ここは、最初の一歩目が見えづらいです。
鎖にカラビナを掛けて、鎖を握って岩から体を離すとちゃんと確認出来ます。
カニの横歩きの様に岩を歩きます
ここも意外と気を付ける場所で梯子をまたぐ時が、体が降られて転倒、最悪の場合
滑落する事もあります。
今回は、梯子をまたいで両足が足置のステップに乗るまで鎖にカラビナを掛けて安全を確保しました。
登りの時に通った「平蔵の頭」を越えます。
右側の鎖は登り時に使った鎖です。
この時点までなれば、皆さんコツや感覚を掴んで危なげなく下りてきます。
前剱の先のガレ場も落石に十分に注意し一服剱に到着。
ここで、小雨が降り始めてきました。
小屋から山頂の往復は6時間40分。
出発したした時点で、殆どの方は出発されており私達のグループの時は
離合も少なくスムーズに通行する事が出来ました。
全員、無事に山頂へ登頂し大きな事故も怪我なく小屋へ下山。
下山後の生ビールは格別にうまかったです。
登山は山に登る事も楽しいですが、下山後の一杯もまた最高です。
皆さん、お疲れ様でした!