冬山の必須アイテム「アイゼン」
皆さんこんにちは、シェルパイオンモール鹿児島店店長の濱口です。
寒くなったと思えば、また暖かくなったりと天候が安定しないですね。
昨年は「暖冬」で中々寒くならず九州の山も雪が降らない時期が多かったように感じますが、今年は昨年から比べると例年並みの冷え込みだと聞きました。
私も早く雪山に行きたいと、うずうずしております。
今回のブログは雪山に登る為に欠かせないアイテム「アイゼン」についてです。
アイゼンといっても、種類は様々でどれを買ったらいいのか?迷う方も多いと思いますので、是非この記事を読んで参考にして頂ければ幸いです。
アイゼンとは?
アイゼンとは、雪上の上や凍った氷の上を歩く際に登山靴の底に付ける滑り止めの役割をする、金属製の爪が付いた登山用品です。雪のある山ではアイゼンを付ける事で、安全にバランスよく歩け、無駄に体力を使わず足や膝への負担軽減にもなります。
アイゼンの種類
アイゼンには滑り止めの爪が付いています。
4本、6本、8本、10本、12本に加えチェーンタイプの簡易アイゼンがあります。
細かく言えば、もっと沢山ありますが、基本的に登山を行う上で必要な物は4~12本爪のアイゼンになります。
九州の雪山は関東方面などから比べると、雪の降る量や、積雪量も違いますし、ふかふかのパウダースノーというより水分が多い、べちゃべちゃとした雪です。
雪が降ったとしても、数か月降り続けるという事はなく、一時的に降る事の方が多いです。
4本爪アイゼン
4本爪のアイゼンは低価格で、装着もしやすいのが特徴です。
但し、爪のある場所が問題で靴の中央部にしか爪が無い為、歩きにくかったり、逆に滑ったりする事があります。
携帯性にも優れていることから、「もしかしたら、凍結している箇所があるかも」といった時等にバックパックに入れておくような使い方がお薦めです。
積雪が明らかな場合は、6本爪以上の方が使いやすいと思います。
6本爪アイゼン
6本爪は、九州の雪山で使用するなら一番適したアイゼンです。
写真はモンベルのアイゼンで、靴のサイズに合わせて横幅のサイズにしっかり合わせる事ができ、ズレにくく、樹脂で出来たバンドで装着も脱着も非常にしやすく作られています。コンパクト性にも優れています。
積雪期のくじゅうや、九州脊梁、祖母山等の一般的なルートで携帯していると非常に使えます。
8本爪アイゼン
8本爪は、踵に4本、先端部に4本の爪が付いており足の裏全体に爪があるので、どこに足を置いてもしっかり爪が引っかかってくれます。前爪はありません。
※8本爪のアイゼンからは登山靴との相性などもございますので購入を検討している場合や購入をする際はご自身の登山靴を持参して実際に合わせてみることをお薦めします。
九州の雪山を楽しみつつ、鳥取県の大山などの雪山に行きたいと思っている方は8~12本爪のアイゼンがお薦めです。
※積雪期の鳥取大山等以上の積雪の山をご検討いただく際は、前爪のある10本以上をお薦めします。
10-12本爪アイゼン
8本爪の所にも記載しましたが鳥取大山や冬の八ヶ岳などを楽しむ方はこの辺りの物が良いと思います。
私の個人的な意見としては、10本か12本のどっちかで迷うなら12本爪を買う事をお勧め致します。
雪に対してしっかり安定させるには、軽量化よりもしっかりとしたアイゼンを選んだ方がいいケースもあると思います。
安全性を最優先して選定されることをお薦めしております。
8~12本爪のアイゼンにはセミワンタッチタイプやワンタッチタイプの物がございます。
上記の写真はセミワンタッチタイプのアイゼンです。(10本爪)
セミワンタッチタイプのアイゼンを装着するためには、踵部にコバ(くぼみ)が付いている物でないと装着出来ません。
※ベルトタイプは装着可能です。
利点としては、ベルトタイプより装着がしやすい事です。
アイゼンを購入する際は、どんな山に行くかで選びましょう
アイゼンを購入する際は自分で考えるよりも、登山用品店でスタッフの方に相談する事がベストです。
まずは、いついつに何処の山に行くのかをスタッフの方に言えば最も適したアイゼンを選定してくれますし、アイゼンの付け方や歩き方の注意点なども教えてくれます。
アイゼンには登山靴の横幅のサイズに合わせたり、縦のサイズに合わせたりする物もありますので、自分でやるよりも初めての場合はスタッフの方にやってもらった方がいいでしょう。
また、合わせて今回の目的の山だけでなく、これからチャレンジしたい山等も考えながら道具の選定をすることで、無駄なく色んなことにチャレンジできると思います!
意外と役に立つ、チェーンアイゼン
爪の長いタイプのアイゼンは雪の少ない時に付けると、岩などに爪が引っかかり、かえって歩きづらかったり、躓き転倒したりする原因になります。そうならないようにする為には基本的なアイゼンを付けての歩き方を覚える事が重要です。
チェーンアイゼンは「アイゼンを付けるまでもないが、付けないと滑りそう」そんな時に意外と活躍します。
装着もつま先に引っ掛けてゴムを踵に掛けるだけでOKです。
雪の時以外にも、例えば梅雨時期で登山道がぬかるんでいる場所を歩き時にも使えます。
雪国など、道路が凍結してしまっている場所などにも使用可能です。
九州の山ではあまり雪が降らず、使う頻度としては少ないかもしれませんが、もしもの時に携帯しておく事で安全に歩けたり、思わむリスクも回避できたりします。
冬山の魅力は何と言っても真っ白の雪化粧と樹氷を楽しめる事だと思います。
空気も澄んでいて普段では見れない美しい景色を見る事も出来ますので、是非、楽しんで登山を行ってください。
アイゼンの事以外でも装備の事などで、ご不明な点がございましたら、シェルパスタッフへお気軽にお声掛け下さい!
※アイスクライミング用アイゼンなどの説明は割愛させていただきました。