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九州発 尾瀬の旅 『2017 水芭蕉を求めて』 -from熊本本店-

九州発 尾瀬の旅 『2017 水芭蕉を求めて』

皆さま、こんにちは、シェルパ熊本本店の谷井です。
いつもホームページをご覧いただきありがとうございます。

先月末『故郷(のように思いを寄せている)』尾瀬に、お客様と行ってまいりましたので報告いたします。
今回は5月26日~28日にて、「2泊3日 尾瀬水芭蕉ハイキング」を楽しみました。


コースは、1日目は九州を出発し、尾瀬の麓、群馬県の戸倉へ向かい2日目の早朝に尾瀬を鳩待峠から入山。
その後山の鼻から見晴らしまで歩き、ヨッピ橋に寄り道をして山の鼻に1泊です。
そして最終日、山の鼻から鳩待峠へ抜け、戸倉の温泉に入り旅の疲れを癒して九州へと戻りました。

九州から尾瀬は本当に「はるかな尾瀬」で移動に丸一日かかります。

毎回、尾瀬を目の前にして“当日は入山出来ない悔しさを、麓で思い募らせるのですが、それでも行くたび思うのは、麓での時間をのんびり過ごし楽しむことで、明日からの尾瀬をより一層楽しめる事が出来るという事に気づくのです。

今回は群馬県片品村戸倉の「尾瀬ぷらり館」へ立ち寄り、尾瀬への知識を少しだけお勉強しお花の資料を見ながら期待に胸を膨らませました。

水芭蕉の時期は? 今年の尾瀬のお花状況

さて、2日目は7時出発!
「一日中尾瀬を歩こう!」と、お客様みんなで決意をし早めの出発です。
尾瀬は登山口まで、自然保護と交通安全の為にマイカー規制がございます。

規制などにつきましては、こちらをご参照ください。(2017年 尾瀬国立後編の交通対策のお知らせ)

尾瀬2017交通情報 尾瀬保護財団HP参照
https://www.oze-fnd.or.jp/ozb/b-as/k2015/


シャトルバスで、鳩待峠へ向かい準備開始。
前日の雨模様から天気は徐々に回復し、まるで「尾瀬」が私達をお出迎えしてくれているようでした。

鳩待峠登山口からは、山ノ鼻まで距離にして約3.3km、時間にして下り1時間・登り2時間、標高差が180mです。

山登り初心者の方を始め、老若男女どなた様でも、ゆっくり歩けば尾瀬に入山する事が出来る(入山は下りですが…)尾瀬で一番人気の登山口です。
しかし、今回心配が的中し…真っ白の雪景色。ボランティアの方がしっかりと雪かきをして木道を出して下さっていました。

尾瀬は、豪雪地帯で冬になると約4メートル雪が積もると言われています。

その年によって異なりますが、尾瀬の山開きは5月20日前後で、まだ残雪の中遅い春を迎えます。
その雪解けとともに可愛らしい水芭蕉が顔を出し尾瀬の水が豊かになり、尾瀬が息を吹き返す、そんな感じです。

そして、今年は「雪が多い」という噂が耳に入っていたのですが、こんなに残っているとは。。。と言った印象です。
人が入らないところは一部北海道を思わせるような白銀世界。

「アイゼンはいりますか?」との質問が多かったのですが、一応軽アイゼンを用意いたしたものの、今回は使用することなく慎重に、踏み抜きに注意しながら歩く事で問題なく入山出来ました。「ボランティアの方のおかげかな」と感謝しながら一歩一歩、歩きました。

ただ、注意していただきたいのは「入山したらそこは山の中」です。

車は入れませんし、怪我や遭難やリスクの高い場所になりますので、登山靴・装備などしっかり準備してから入山して下さいますようお願いいたします。

オススメ尾瀬の楽しみ方

私は、一昨年の尾瀬シーズンの半年間、尾瀬の山小屋でアルバイトをしておりました。
さすがに半年間、尾瀬にいたので魅力や楽しみ方を一言でお伝えするのはとても難しいのですが、ポイント絞りご紹介したいと思います。ぜひ参考にして下さいませ。


山小屋に泊まろう!
これは声を大にして言いたいのですが…尾瀬の日帰りは、もったいないです。
尾瀬の朝霧・夕日・星空・空気・雨。ぜひ見て・感じてください。
天気は、雷・台風以外はお勧めで、しとしとと雨の中の湿原地帯らしい気候をレインウェアを着て楽しんでも良し。
雨上がりの輝く緑はより一層美しいです。
山小屋に宿泊する事で、尾瀬時間をゆっくりと過ごし、いろんな表情の尾瀬を楽しんでいただきたいです。
歩荷体験???
尾瀬の風物詩とも言える「荷歩(ぼっか)さん」尾瀬の食糧・燃料の運送はヘリコプターと荷歩さんが主流です。尾瀬に入ると、沢山の荷物を背負った荷歩さんが長く続く木道を歩く姿は、絵に描いたような昔ながらの尾瀬を感じる情景です。

山ノ鼻から牛首分岐をヨッピ橋へ向かい更に先に進むと、山小屋「東電小屋」には、山小屋の前に荷歩さんが背負っているいるものを、実際に背負うことができます。(もちろん空荷です。笑)
記念写真を撮るのに人気スポットです。
重い時は100㎏を超える荷物を運ぶ荷歩さん、山小屋でいただくお食事の有り難味をぜひ感じて頂きたいです。

場所・距離・時間の計画を

「尾瀬」は、穏やかでゆったりとしたイメージがあるかもしれません。
確かに、ルートを選べば平坦な木道が長く続き、整備された木道はとても歩きやすい為、安易に登山しやすいと思われがちですが、木道は合計で約65㎞と言われています。尾瀬は面積は8690haと実はとても広いです。
「尾瀬ヶ原」だけをぐるりと一周歩いても1日かかりますし、今回お客様と2日目に鳩待峠から歩いた距離はなんと16㎞以上で、歩数にして30000歩以上でした。 地図は、行く場所によって異なりますが現在地・ある程度の距離・時間目安を把握できるものを持ち歩きましょう。至仏山・燧ケ岳・あやめ平等の入山時は、必ず登山図の持参が必要です。 下山時間・山小屋への帰着時間に余裕を持った、登山計画をしっかり立てましょう。

お花を求めて
今回は、水芭蕉を求めて、夏はニッコウキスゲ、そのあと草紅葉、それ以外でも小さな花や景色と四季折々が5月末から10月末にぎゅっと詰まって訪れます。
予測して、計画を立てるのは案外難しいのですが(昨年のニッコウキスゲがずれました)いつ行っても会えるわけではないからこそ希少で貴重な高山植物を楽しんでくださいね。
「ワタスゲ」は霜に弱く、年によって豊凶作の差が多いので群生になるのは、数年に一度といわれています。蕾の群生をみてきましたので今年は楽しみです。 見ごろは6月終わりから7月の初め頃です。
尾瀬の湿原に、フワフワした白いワタスゲは本当に美しく、まるでジブリの世界です。 私の尾瀬、ワタスゲオススメスポットは「アヤメ平」と「田代山」です。ぜひジブリの世界を是非是非、体感してください。(笑)
ビジターセンター
尾瀬の中には、「山ノ鼻」と「尾瀬沼」にビジターセンターがございます。
私は、ビジターセンターがすごく好きで尾瀬に限らず、山へ行く際はよくお邪魔します。
ビジターセンター内には、写真やイラストでとてもわかりやすく展示や説明がしてあり、そのフィールドの「今」を知ることが出来ます。 またシーズン中の土日を中心に、尾瀬を学べるスライドショーや、早朝の植物観察会・星空説明会など嬉しい催し物があります。(時期・内容は異なります)
更に、近くにビジターセンターがない場所へ宿泊される場合は、ビジターセンターの尾瀬を知り尽くしたスタッフの方が作成した「尾瀬だより」が届きます。
定期的に尾瀬の情報をまとめた資料を、運んでくれるので山小屋でも尾瀬の情報をぜひチェックしてみてくださいね。いかがですか?日帰りではもったいない尾瀬の意味が伝わりましたでしょうか?
今回、私たちも「山ノ鼻ビジターセンター」にお世話になり、夜はスライドショーで尾瀬を学び、朝から植物観察会に参加し、より尾瀬の知識を深める事ができました。
見て感動し、学んで感動し、尾瀬の魅力に魅了された2泊3日を過ごすことができました。

尾瀬で注意してほしい事

湿原には入らない
「木道」という言葉は実は、尾瀬が作ったと言われています。
雪が解け、「木道」で整備されている所では、木道以外のところの足を踏み入れないようにしましょう。一度踏み荒らされた湿原は、元に戻るのに40~70年かかると言われています。繊細な尾瀬の自然を是非皆さんで守りましょう。
ゴミは持ち帰りましょう
山のゴミの持ち帰り運動を始めたのは尾瀬が発祥の地です。
山小屋でも、ゴミを尾瀬外に出すには、通常より高額です。皆さんでルールを守り、綺麗な尾瀬を保ちましょう
動植物は持ち込まない・持ち帰らない
山小屋は予約制 石鹸・シャンプーは自粛しましょう

尾瀬であると便利グッズ

尾瀬の山小屋は、とても過ごしやすいです。
お布団も用意されていますし、お風呂もほとんどの所に用意されています。(因みに、私が働いていた“尾瀬 温泉小屋”は珍しい天然温泉ですよ)各個所のトイレも(有料ですが)完備されていますし。何よりも水場が多く水がきれい。植物がキラキラと輝いているのも納得です。


軽量の折り畳み傘
尾瀬は湿地帯なので雨が多いです。勿論上下別の雨具は必須ですが、宿泊する山小屋から少し散策したり、バスに乗り換えたり、遠征時にあるととても便利です。軽量なもので100g以下のものもありますので是非ご参考に。(お求めはシェルパまで(笑))
手のひらサイズになる水筒(ソフトボトル)
ぺットボトルは販売もありますが、一つソフトボトルがあれば、尾瀬のおいしい水を持ち運べてゴミも出ません。綺麗でおいしい尾瀬の水ぜひご堪能下さい。(心配なかたは火を透すことをお勧めします)
小銭入れと100円
尾瀬は、トイレが基本1回100円と有料です。各山小屋にお土産も豊富でそこでしか手に入らないものがあったりと…案外お財布は必要です。(笑)
軽食も場所によりますが、とても充実していますので是非ご利用下さい。
という事で、小銭の持参はお勧めです。またトイレ利用の際の協力金は皆様よろしくお願いします。
植物手帳
尾瀬の醍醐味ははやり“植物”ですね。小さな出会いですが、よろしければお名前も覚えてあげて帰って下さいね。植物手帳は、山小屋でも購入できますので尾瀬で過ごす時間をより一層色づけてくれます。

今回出逢ったお花たちのご紹介

今年の尾瀬オススメプラン

8月18日~21日 3泊4日「桧枝岐歌舞伎と会津駒ケ岳・燧ケ岳」

1日目は、福島県南会津郡ににある桧枝岐村へ向かいます。
そこは日本有数の「特別豪雪地帯」といわれ秘境と言われています。そんな、桧枝岐村では江戸時代から270年以上親から子へ、子から孫へと伝承されてきた桧枝岐歌舞伎がございまして年に3回しか開催されない歴史的で希少な歌舞伎を見に行きます。

2日目は、日本100名山の会津駒ケ岳へ登ります。
会津駒ケ岳は山頂に池塘が散りばめられており、連なる会津の山々や稜線上に咲く高山植物は見事です。そして、その日は桧枝岐の温泉でゆっくり疲れを癒します。

3日目に東北最高峰の100名山「燧ケ岳」にアタックです。下山は尾瀬沼に下り、尾瀬の山小屋に一泊し翌日に九州へ帰ります。

尾瀬の魅力をぎゅっと詰め込んだ贅沢なプログラムとなっております。
2座とも、尾瀬を代表する山の為、歩行6時間以上の本格的な山登りです。
しかし、今回お勧めポイントとして、登山口・下山口で宿泊予定といたしますので、1日に1座時間をかけてゆっくりと登ります。縦走ではない為、荷物も預ければ減らすことが出来たりとプラン自体が、それぞれ無理なくゆっくり尾瀬の山を楽しむ時間で計画いたしました。

尾瀬をこよなく愛する私が(笑)、「連れて行きたい!」と思う内容を計画いたしましたので、満足していただけると思います。

この機会に、尾瀬で味わう感動を共有してみませんか?
ぜひ、皆様のご参加をお待ちしております。

また、「尾瀬」の事でお尋ね事がありましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。一緒に尾瀬談義に花を咲かせられたら大変嬉しく思います。

水芭蕉ハイキングツアーにご参加頂いた皆様本当にありがとうございました。
無事に里帰りもすることが出来、皆様の笑顔と素晴らしい尾瀬の景色は大切な宝物になりました。ありがとうございました。

2016年度の尾瀬遠征記録もご覧ください♪

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