大雪の中 鳥取大山・三瓶山へ行ってきました from宮崎店
大雪の中 鳥取大山・三瓶山へ行ってきました
皆さまこんにちは、シェルパ宮崎店店長の濱口裕行です。
先日鹿児島店より宮崎店への異動を受け、宮崎店長としては初の投稿でございます!
久々の登山報告でございます。
先日、2月10~12日の2泊3日で鳥取県の大山と島根県の三瓶山へ冬山登山に行ってまいりました。
鳥取県では今年1月にも記録的な大雪で高速道路で車が立ち往生になったりと全国ニュースでも報道されていたことが記憶にも新しいかと思います。
そして今回の大山、三瓶山登山も狙っていたかのように寒波が到来し、そのお蔭で今までに体験した事が無い豪雪の冬山登山を楽しむ事が出来ました。
伯耆富士(ほうきふじ) 大山
日本各地には「富士」の愛称を持つ「郷土富士」がありますが、ここ鳥取の大山も「伯耆富士」と呼ばれ、多くの方に親しまれています。
その伯耆富士こと「鳥取大山」の標高は1,729m。中国地方最高峰の山で、その名が示すように北西から眺めると、富士山のように雄大で美しいピラミッド型の姿をしています。
日本海に面した独立峰の大山は、積雪量も多く、九州で味わえないどころか、中国地方でこれだけの雪山が楽しめるのかと訪れる度に感動する山です。 四季を通じて楽しめる山ですが、冬はその雪の恩恵もあり、多くのスキーヤーでも賑わいます。
なお、鳥取大山には「大山」と呼ばれる山頂はありません。
大山の最高峰は「剣ヶ峰」と呼ばれる場所となり、通常登る弥山と呼ばれる場所から剣ヶ峰に至る登山道は崩壊し、通行不可能です。 弥山山頂から剣ヶ峰方面の眺めは、圧巻です。
郷土富士
余談・・・
上にも書きましたが、日本各地には「●●富士」として親しまれる郷土富士が多くありますが、私たちの住む九州にも「●●富士」として親しまれる山があります。皆さまは登られた事や眺めて楽しまれたことはありますでしょうか。
どれも素晴らしい山ですので、まだ行かれていない方は、是非楽しんでみてください。
数が多いため、すべては書ききれませんが、以下のようなものがあります。
沢山の富士を眺めて登ってみるのも面白いかもしれませんね。他にも沢山あるので興味のある方は調べてみてください。
- 福岡県「筑紫富士(可也山)」「企救富士(貫山)」
- 佐賀県「肥前小富士(唐泉山)」
- 長崎県「佐世保富士(烏帽子岳)」
- 熊本県「小国富士(涌蓋山)」
- 大分県「豊後富士(由布岳)」「玖珠富士(涌蓋山)」
- 宮崎県「生駒富士(夷守岳)」
- 鹿児島県「薩摩富士(開聞岳)」
本格的な雪山登山の形相
登山口に近い宿に宿泊し、11日に大山へ登るのですが、宿を出るなり道は完全に雪で消えており、あたり一面真っ白の世界でした。
本来は枕木の階段で綺麗に整備されている登山道も完全に雪で埋まっています。
雪山の場合は、先行者が登ったあとに出来るトレース(足跡)に沿って登ったり、樹林帯の中であれば、目印となるテープや地図、コンパスやGPS等の道具を使って登っていきます。
今回は幸いにも、私たちの前に登られている方がいらっしゃったので、トレースも出来ており、快適に歩くことが出来ましたが、5合目を過ぎたあたりから登山道は一変し、トレースも完全に消えてしまっている状況でした。
このの状況や、風、天候等を考えて、安全に下山までが出来るのは、ここまでが限界だと判断し、6合目手前で引き返すことにいたしました。
四季を通して楽しむことのできる「鳥取大山」
今回は残念ながら、雪の量が多く山頂に行くことは出来ませんでしたが、冬には九州では味わえない雪の量を楽しむことができ、天候に恵まれると、とても素晴らしい展望を楽しむことが出来ます。
また、春には美しい新緑、夏は納涼登山、秋には美しい紅葉。1年を通して変化する山容を感じることができます。
冬の登山も、天候に恵まれている場合は1合目から6合目程度までは、美しい樹氷に覆われたブナの樹林帯を歩き、6合目からは気持ちよく美しい稜線を歩くことができます。
九州からは少し遠くはありますが、訪れる価値のある名峰だと思います。
シェルパでも、毎シーズン出かけていく山ですので、体験したことのない方は、是非一緒に行きましょう。
道を切り開いて登る、冬の三瓶山(さんべさん)
三瓶山は、島根県の太田市飯南町にまたがるように位置しており、主峰の男三瓶山(1,126m)を中心に女三瓶山、子三瓶山、孫三瓶山、大平山の外輪山の山々が取り囲む独立峰の活火山の山です。火口の中には「室の内」と呼ばれる直径約1.2kmの火山湖があります。
警察の方には、安全を最優先し行ける場所まで行った後は引き返し、下山後に連絡を行う。という旨を伝え「男三瓶山」を目指して、東の原登山口より登り始めます。
ラッセルで道を作りながらスキー場のゲレンデを登る
東の原登山口からはスキー場のゲレンデを登り、女三瓶山を目指し男三瓶山へ縦走する予定でしたが、想像以上に雪が深く先行者も居なかった為、ラッセルしながら前に進んで行きます。普通に歩くよりも足を高く上げたりする為、体力もいつも以上に消耗します。
皆さまのラッセルのご協力もあり、行けるところまで楽しく登ることが出来ました。
登っている最中は、雪が降ったり曇っていたりで、景色も見れませんでしたが、ゲレンデの最終地点まで登った瞬間、あたりに素晴らしい雪景色を望める時間が訪れました。
一瞬の出来事ではありましたが、一生懸命に上ったご褒美を味わえた瞬間でございます。
下山は他の登山者もおらず、自分たちが作ってきた道を利用して「尻スキー」で一気に下山。
皆さまが、まるで子供に戻ったようにはしゃぐ姿を楽しみながら下山することが出来ました。
ご参加いただきました皆様、本当にお疲れ様でございました!!
冬山登山の魅力
四季を通して山や自然を楽しまれる方も多いと思いますが、初心者の方には「雪山」は緊張するものや、怖いものだと思います。
「寒さから生じる低体温賞」や「アイゼンをつけての歩行」「車の運転」など、リスクがあるのも事実です。そして、それらのリスクを100%防ぐことは出来ません。
しかし、雪山を十分に楽しむためにも日頃からリスクへの備えや対策、道具の選び方、ウェアのレイヤリング、経験や知識、技術を身につけておくことで、安全に楽しく登山を楽しみ、「もしも」のリスクを回避することが出来ます。
あたり一面雪の銀世界、美しい樹氷、冬のシーズンだからこそ楽しめる山容。
冬にも冬の沢山の魅力があります。まだ雪山に行ったことのない方や、今まで行くのが心配で行けなかった方は、私たちと一緒に行きませんか?
皆さまが安全に四季を通して楽しめるように、私たちスタッフが一生懸命お手伝いさせていただきます!