岩稜に駒草そよぐ 南八ヶ岳 from鹿児島店
岩稜に駒草そよぐ 南八ヶ岳
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益々色黒になりました。日々アウトドア、鹿児島店岩永です。阿南大吉リーダーのもと、花の南八ヶ岳に会員様13名と堪能して参りました。花だけでないアルペン的峰々が連なる八ヶ岳の魅力をどうぞ!
赤岳へ続く花の天望ロード
夏到来!「九州の山の蒸し暑さから逃れ、見慣れた照葉樹ともしばしのお別れだなぁ。」と、八ヶ岳の麓にある美濃戸口に着くと、地元の方曰はく、「これまでにない暑さ!」との事。そのような中、美濃戸山荘に向かいます。そして翌朝より八ヶ岳の最高峰、赤岳へ出発しました。
美濃戸山荘から北沢を通り、先ずは赤岳鉱泉まで進みます。木々に囲まれた緩やかな道を登っていくと、沢沿いの岩が赤いのに気づきます。
目指す赤岳も赤肌。溶岩が噴出し酸化したものかと思われます。赤と緑のコントラストが絶妙なバランスで何とも言えません。
赤岳鉱泉のバックにドンと構える横岳。それを下から見上げるのは、「がまだせ!チェスト!」(頑張れ!)と山に言われているようで、やる気スイッチが入るものです。これから硫黄岳から横岳へ歩き、赤岳展望荘へ向かいます。赤岳鉱泉を後にして、樹林帯を登降して行きます。
ちなみにこの赤岳鉱泉は、温泉が沸いており、すき焼きが美味しいそうです。テント場もあり、この日は4張ありました。水場もあり夜空も森の中から眺められ、ゆっくりできそうですね。
赤岩の頭を過ぎ、広い岩屑の尾根あたりになると、森林限界を超えて緑が無くなります。尾根に並ぶ道しるべの7つのケルンが見えてきて、白い岩稜が広がる硫黄岳に到着です。先には10万年前にできた赤壁の爆裂火口跡も見られます
ここからが、駒草のそよぐ天望ロードの始まりです。大ダルミには、地に這いつくばった駒草の群生が、可愛らしく風に揺れています。硫黄山荘近くの駒草神社には八ヶ岳ブルーのもと、チシマギキョウが咲いていました。秋に見られる本物の八ヶ岳ブルーも見たいものです。
大ダルミから台座の頭あたりの稜線は駒草の縦走路。白い駒草とも出会いました。
高山植物保護のロープに囲まれるので少し自然の雰囲気に欠けてしまいますが、ウルップ草やキバナシャクナゲも咲き誇ります。お花畑!!時にはカモシカも見られるとか!今回は残念ながら見られませんでした。
横岳の主峰の奥の院から日ノ岳、そして赤岳展望荘への道は、花を望む道でありながらも、鎖やハシゴが連続して行きます。思ったよりも緊張する場面が多かったとご参加者の方からの声。でも、皆さん淡々とそれらをこなしていきます。明るく楽しそうに!
尾根の右手には大同心、小同心が立体的に広がり、存在感たっぷりです。クライマーがいないものかと見入ってしまいます。
冬はアイスクライミングで賑わうのでしょうね。今は花の八ヶ岳も、季節により色々な顔を見せてくれます。
赤岳展望荘まであと少しの所で、お地蔵さんに迎えられ、無事到着。8時間ほどの行程でした。
地蔵の頭から地蔵尾根を下ると、明日帰りに通過する行者小屋へ通じます。ここでまた食べ物情報。行者小屋にはカモシー丼というものがありますよ。
赤岳展望荘は、五右衛門風呂で有名です。山でお湯に浸かれるとは極楽極楽!風呂の水をトイレに利用しているとの事でした。水は大切ですから本当に理にかなっていて有難いです。そしてまた食事もバイキングで豪華、おかわりしてしまいました。ワインもワインラックに寝かせてありましたよ。赤岳がゆえに赤ワインのフルボディだったような…
各方面からここに集まってきた人との談話室での会話は弾みに弾みました。9時の消灯まで…八ヶ岳に思いを馳せる道
翌朝の八ヶ岳での御来光です。いよいよこの後赤岳山頂に向かいます。
すぐそばに佇む赤岳山頂は、赤く岩の急斜面です。慎重に一歩一歩、ゆっくり味わいながら15名で登りました。昨日登るぞと見上げた山から、見下ろす風景は達成感があり気持ちいいものです。皆さん晴れ晴れとした笑顔です。
ここからは、二手に分かれます。文三郎尾根を下るグループと、中岳、阿弥陀岳を経由して下るグループです。どちらも、行者小屋を通過して、南沢コースをとり美濃戸山荘、そして八ヶ岳山荘で合流です。降りるのみで、それぞれぞれが思いを馳せて降りていく道となりました。
文三郎組は、沢で水遊びもしたとのことです。ここで、中岳、阿弥陀岳組の登りの風景をどうぞ。
阿弥陀様に会いに、急な鎖の斜面を5名+岩永で参りました。阿弥陀岳の360度のパノラマは、気分爽快で思わず顔が緩みます。
帰りの南沢を降りながら思います。山頂の駒草は、今頃昨日と同じように風に揺れているだろうなぁ。あんなに荒れた岩稜にしっかり根を深くはって生きている。たくましい!そして、明るい朗らかな参加者の方々の、ここぞという所で見せる真剣な眼差しにパワーをもらいました。
皆さんは何を感じたのでしょうか?
八ヶ岳は小屋ヶ岳ともいわれます。そういえば、美濃戸山荘の夕食はてんぷら、豚角煮、魚の踊り串等々と豪華でした。お弁当の中華おこわも本格的で、手作りフキみそも絶品!八ヶ岳山荘では、ダッチオーブンの鳥の丸焼きは軟骨までペロリ!こんな楽しみもあるのですね。
今までにない暑さといわれる中、五感を研き澄まし過ごした八ヶ岳に感謝。駒草の見えない根っこのようでありたいものです。