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【シリーズ:フィールドへ出かけよう】第3回:登山の装備を考えてみましょう

こんにちは!
アウトドア初心者向けのコンテンツ「フィールドへ出かけよう」ですが、第1回目は「山の魅力」第2回目は「道迷いを防ぐ」とご紹介させていただきました。
今回は「登山の装備を考えてみましょう」と題して、これから登山を始めたいと思われている方が、一番最初に悩む「何が必要なのか」についてご紹介させていただきたいと思います。

登山の装備については、基本的にすべて目的があります。
それらの最も大きな目的は、楽しむ事ではなく「安全を考えること」です。
登山をされている方のバックパックを見て、何が入っているんだろう。と思われることや、登山の専門店で、お薦めのサイズを聞いた時に「そんなに入れるものがあるだろうか」と思ったことのある方もいらっしゃると思います。

登山の装備については、安全を考えてリスク対策を考えた装備を持ち歩くことが必要です。
自然の中で、より快適に安全に楽しむために、これから登山を始めたいと思われている方は、是非ベテランの方などに一緒に山に連れて行っていただきながら、道具の事も楽しみながら覚えていただければ幸いです。

【フィールドへ出かけよう】第3回:登山の装備を考えてみましょう

よく登山装備の三種の神器と言われ、登山靴・バックパック・レインウェアの三つがあれば大丈夫。
と聞くこともありますが、実際に山に行く際には、少しずつ色んな物を揃えていく必要があります。

立派な登山靴を履いて、高級なバックパックを持って、レインウェアを入れていても
例えば、ジーンズにコットンのTシャツで山に行くことは推奨できません。

必要な装備は季節等によっても当然異なりますが、今回は無積雪期の登山を例に考えてみたいと思います。

登山靴

登山の装備の中でも、とても大切な装備の一つと言っていいのではないでしょうか。
登山・ハイキングなどは、自然の中を歩きます。簡単に言えば山頂や目的地まで登って、出発地まで下ってこなければなりません。
それは、長時間歩くことを意味します。登山では5時間程度の歩行は決して長い時間ではありません。
自分の足に合った登山靴を選ぶことはとても重要です。


靴の選び方等についてはまたご紹介させていただきますが、一番は専門店に行ってしっかりと確かめてみることです。
自分の足に合っていない靴を履いて長時間歩くことは、傷みなどの原因になり苦痛になってしまいます。
また登山靴は、一般的なタウン用シューズ等と異なり、山でのグリップ力や足の保護に非常に優れています。

自分に合った登山靴を見つけることは、快適性を考えても、安全性を考えても、とても重要です。

バックパック

簡単なハイキングや登山、数日間に渡る縦走など、目的によって選ぶバックパックは異なりますが、
一般的なタウン用と登山用の大きな違いは、登山用のバックパックはフレームや専用のパネル等を利用して、
バックパックの荷重を上手く分散させる仕組みが出来ています。
そのため、長時間の歩行においても肩など一か所に負担がかからないように作られており、疲労の軽減につながります。
※登山用でも目的やスタイルによって、フレーム等のないバックパックもあります。

自然の中を歩く際は、食料や水分など、思っているよりも重い荷物を背負います。
その重量を上手く背負って疲れにくいように歩くために必要なバックパックを選ぶことが大切です。

一般的にバックパックはトルソーレングス(背面長)で選択します。
自分に合ったバックパックを選ぶことは、バランスの取れた歩行にもつながり安全性の向上にもつながります。

レインウェア

レインウェアはその名の通り「雨の時に着用するウェア」ですが、登山用のカッパと思っていただいて問題ありません。
数日間山に滞在する縦走等の場合は、高い確率で雨に遭遇してしまいますが、日帰りのハイキングや登山でも
「山の天気は変わりやすい」と言われるように、必ずバックパックの中に常備しておくべき装備の一つです。
山の中で雨に打たれ、体を冷やしてしまうことは時に大きな事故に繋がることもあります。しっかりと持っておきましょう。

とはいえ「天気が崩れそうな時は行かない」等、実際に利用する機会は日帰りの登山を楽しむ範囲では
利用しないことも多いですが、寒いシーズンは防風の役割も果たしてくれるので、非常に重宝します。

レインウェアを選ぶ際は、蒸れで体を濡らしてしまわないようにGORE-TEXや、それ相当の機能のあるウェアをお薦めしています。

ヘッドライト

ヘッドライトと予備電池も、登山では必ず装備しておかなければならない装備の一つです。
充分にゆとりを持ったスケジュールで自然に入っても、ふとしたことで大きな時間のロスが発生したり、
道を間違えてしまい、大きく時間がずれてしまう可能性もあります。
また、遭遇したくはないですが、怪我をしてしまい歩行時間が非常に遅くなってしまうこともあります。

陽が落ちた山の中は、本当に真っ暗で何も見えません。そのため、他の方から発見されることも困難になってしまいます。
日帰り登山でも、ヘッドライトを持参することは常識です。必ず予備電池とセットで常備しておく習慣をつけましょう。

登山用ウェア

他のスポーツ用品で代用できることも多いですが、登山時のウェアは速乾性が基本です。
快適性のみでなく、汗や雨に濡れ体を冷やすことから発生する事故を防止する事が最大の目的です。

登山ではレイヤリング(重ね着)として、ベースレイヤー・ミドルレイヤー・アウターレイヤーの3つの層で環境変化に対応します。
ベースレイヤーの目的は、ウェアを肌に密着させ汗を素早く吸い上げることで、肌表面をドライに保ち、吸い上げた汗や水分を
素早く乾かすことです。ミドルレイヤーの目的は、吸い上げた汗や水分を素早く乾かすと共に、アウターレイヤーとの間に空気の層を作り保温性を作ることです。これにより、温かい状態を保つようにしています。
アウターレイヤーの目的は、主に雨や風から身を守ることです。

この3層で脱いだり着用したりで温度調節を行います。

コットンのTシャツやジーンズでの登山は、悪天候の際等のリスクが非常に高く、しっかりとしたウェアの選定を行いましょう。
はじめはベテランの方や専門店のスタッフに相談することが一番の近道です。

手袋・グローブ

グローブと言っても、一つあればいいかいうと、そうではありません。
夏の暑い時期であれば山も、そこまで気温は下がらず素手の状態でも行動するに支障はなかったりしますが
春から夏、秋から冬の季節の変わり目の際は気候も急激に変わったりします。
特に冬場は、様々な種類のグローブが必要となります。
あくまでも参考にして頂ければと思います。
私達、シェルパスタッフが山に行く際は夏場を除いた時期については数種類のグローブを準備しております。

インナーグローブ
インナーグローブは替え用でも2枚は持ってきます。極力素手は出さないようにした方が、急な気温の変化で手を冷さいようにします。
防水グローブ
雨から手を守ります。水の伝導率は空気の25倍と言われていますので濡れた状態だと手が冷たくなるのも急激に早くなります。
防水・防寒グローブ
防水・防寒グローブは基本、冬の時期や積雪がある場合に持ってきます。防水に加えて、防寒も兼ねておりますので暖かい状態で保ってくれます。防水・防寒グローブを付ける際はインナーグローブを付けているといいですよ。

ステッキ・ストック

ステッキは持っている方、持っていない方に分かれますが最初から基本装備として持って頂いてもいいでしょう。
ステッキは足場の悪い道を歩く際の手助けになりますし、長時間歩いたり下りの場合は荷物を背負った自分の体重を足腰で支えますので想像以上に膝や足に負担がかかります。
ステッキを持つだけでも随分と体全体の負担を軽減する事が出来ます。
万が一足を痛めてしまった時等のためにも、携帯しておいても非常に役に立ちます。

ガスストーブ

数名で山に登る際はどなたかが持っていれば良いものとも言えるかもしれませんが、
山で美味しいラーメンを食べる、珈琲を沸かす。そうした目的以外に緊急時に水を煮沸し、飲み水を作ることや
冷えた体を温かいお湯で温めることなど、緊急時の道具として利用できます。
コッヘルとセットで携帯しておきましょう。
※普段は美味しい食べ物を作るのに積極的に使いましょう。

コンパス・地図・GPS

最初は地形図を見て現在地を確認することなどは難しいと思いますが、慣れれば少しずつ理解できてくるようになります。
登山では慣れてくると「道を探して歩く」ことよりも「地形を見ながら歩く」という印象が強くなります。
現在地が分からずとも、最初は地形図を見ながら、今から歩く場所の勾配などを確認していくだけでも地図には強くなります。
万が一の際に、待ったく居場所が分からないということにならないように、日頃から目的地の地図とコンパスを携帯することを
習慣づけましょう。

地図の読み方については、ベテランの方や専門店のスタッフ等に相談されることをお薦めします。

また最近ではGPS以外にもスマートフォンのアプリ等で現在地を確認することも手軽に出来るようになってきました。
予備のバッテリを持参しておくなど、リスクに備えながら「遭難」することの無いように楽しみましょう。

ファーストエイドキット

山を歩いて、捻挫してしまった。 転倒して怪我をしてしまった。
そんなことも発生してしまうことがあります。
万が一怪我をしてしまった際の、応急処置セットは必ず持参しておきましょう。

一例として、とあるスタッフのファーストエイドキットの中身を紹介します。
・絆創膏 ・テーピング ・鎮痛剤 ・消毒液 ・爪切り ・ピンセット ・ナイフ
・細引き ・エマージェンシーシート ・ツエルト ・包帯 ・緊急時用ホイッスル

テーピングの仕方は常に覚えておくことは難しいと思いますので、ちょっとしたガイドブックや
主なテーピングの方法だけをコピーして入れておくのもお薦めです。

水分・非常食

万が一下山できなかった時に備えた非常食や、ゆとりある水分を必ず携帯しておくことで、
常に「もしも」に備えておきます。

リスク対策さえも楽しむことがお薦めです

季節によって持っておくべきものや装備も変わりますが、あくまで一例としてご紹介させていただきました。
万が一の事態に発生しないことが一番ですが、常に安全・安心に楽しめるための備えを心がけて楽しみましょう。

また、こうしたリスク対策等を知ることも、登山における楽しみの一つと考えて、道具を選定したり、考えたりすることも前向きにできると良いですね。
皆さまのアウトドアライフが、より安全で快適なものになりますように。
ご相談は、気軽にお近くのシェルパスタッフまでお尋ねくださいませ。

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